D.C.P.S~ダ・カーポ プラスシチュエーション~                     作者 スズラン~幸福の再来~


                                                       キャスト
                                                       主人公     朝倉 純一
                                                       メインヒロイン 霧羽 香澄
                                                       サブキャラ    名無しの少女
                                                                  芳乃 さくら
                                                                  霧羽 明日美




霧羽香澄After story月と桜に込めた願い~悲シキ恋ノ詩~




Epilogue 月と桜に込めた願い~NEXT FUTURE~




あれから一週間が経とうとしていた。

俺は明日美さんと一緒に本島に来ていた。

明日美さんは病み上がりだと俺の事を心配してくれたが、俺はムリを言って‘ある場所’へ案内して貰っている。

俺の体は順調に快復に向かっており来週中には学園にも登校できそうだ。

さて、この一週間なのだがそれはもう濃縮された一週間でもう、マジで慌しい一週間であった。

あまり記憶には残っていないのだが数週間前に俺は意識不明の重体状態だった時があったらしい。

あの時は常に意識が朦朧としていて日にちの感覚さえも曖昧だった。

で、その名残がこの一週間で一気に押し寄せてきたのだ。

俺がさくらの家で意識を戻してから、もう来客が激しいこと、激しいこと。

泣きながらふすまをぶち破って、ことり、明日美さん、眞子、工藤に突貫され、大いに泣きつかれた。
(あんなにも女々しい工藤は始めてみてビックリした)

その後、杉並が仏華と俺サイズ特注の棺おけを担いで来たのにはその場で居た全員で「ブラックジョークにもならねえよ!」とばかりに粛正をかまし、

挙句の果てに看護学校に入学した音夢まで戻ってきて「私!兄さんから二度とはなれませんからね!」と言われ、看護学校に休学届けを出そうとするのを宥めるのが大変だった。

久々に味わった現実感は悲しいほどに混沌に満ちていて、それでいてリアルであった。

(まあ、それでも)

俺は感謝するべきなのだろう。こうして心配してくれているみんなに。

あの一軒以来、自分がどれだけ恵まれていてどれだけ回りに迷惑をかけたか痛感した。音夢、眞子、ことり、工藤、明日美さん、そして、さくら。

今にして思えばあの時、さくらが枯れない桜を枯らしてくれたから俺はこうして生きていられると言っても過言ではない。

さくら曰く『あの瞬間に人類の存亡がかかっていた』らしい。

それだけ俺の行動は愚行だったと後で物凄い説教を受けた。

枯れない桜と言えば、島の桜は段々と散ってきている。まあさくらの帰郷の本来の目的がソレだったと知ったのはつい最近で本当ならもっと早くに決着をつけるつもりだったが、長引いてしまったのは俺のせいらしい。(どうしてかは知らないが)

初音島は今、そのニュースで持ちきりで多くの生物科学者達があれよあれよと論争を繰り広げている。

「全く、リアルは何処までもリアルだなあ」

「ハイ?何か言いましたか?朝倉さん」

「いいや、なんでも無い。唯の独り言だよ」

「でも、いいんですか?まだ病み上がりなのに」

「まあ、全快ではないが問題はない」

「辛くなったらすぐ言ってくださいね?絶対ですよ?」

明日美さんは逐一、俺の体の具合を尋ねてくる。まああんなに心配かけたんじゃ無理もないのだがね。

「でもビックリしましたよ、突然電話がかかってきたと思ったら間髪言わずに‘墓参りへ行こう’なんて」

そう、俺達は今本島にある小さな寺に訪れていた。その目的は

「なんとなく、な」

「お姉ちゃん、きっと喜びますよ」

笑顔で笑いかけてくれる明日美さん。その笑顔に俺も曖昧に微笑んでみせる。その笑顔が余りにも綺麗だったから。

彼女はもう前を向いていた。姉という存在を胸のうちに大切にしまって歩き始めている。

俺も本当の意味での決着を付けなくてはならない。それが今俺がしなくてはならない事。コレをしなくては前には進めない。

今にして思えば、もっと早くに訪れるべきだったのに。俺はずっとアイツの事を引きずって、それで沢山の人に迷惑をかけて、馬鹿だった。

それでいて最低だった。どうしてこう俺はこんなやり方でしか生きれないのだろう。そんな弱い自分に本気で腹が立つ。

「朝倉さん」

明日美さんは心配そうな眼で俺を見ると、そっと俺の手を握った。

「さあ、行きましょう、この先ですよ」

それは彼女なりの気遣いなのだろう。下手に詮索されない分、ずっと楽だった。

「ああ、そうだな」

俺は彼女の手からそっと自分の手を引き抜く。キョトンとした表情の明日美さんの目をジッと見つめて目で「大丈夫だから」と伝えると、彼女も頷いてその先を歩き始めた。



・・・・・・



・・・・・・



・・・・・・



間もなくしてついにその場所にたどり着いた。目の前には「霧羽香澄ノ墓」と書かれた墓石。

その墓石を目の前に、ああ本当に彼女は死んでしまったのだと再認識した。

「ここが、そうなのか」

「ハイ、お姉ちゃん、ホラ見て朝倉さんが来てくれたよ?良かったね」

明日美さんは墓の前に座り込むと、墓の周りを綺麗に掃除し、華を飾り始めた。その様子を俺は唯ぼんやりと見つめていた。

今にして思えばこの一ヶ月とちょっとの間、俺は目の前の‘姿無き彼女’をずっと追い求めてきたのだ。

そして、あの幻想世界で俺達は確かに再開を果たした。

(でも)

俺にはやり残した事があった。

「香澄」

彼女の名を呼ぶ、



ざざん_______________________



風が強く吹き、木々を揺らす。

「なあ、明日美さん。しばらく一人にしてくれないか?」

「え?朝倉さん?」

「頼む」

「一人に・・・ですか?」

「ああ」

「どうしても?」

「ああ」

そうして明日美さんはニッコリと笑った。

「ハイハイ、解りました。しょうがないけどお姉ちゃんの為にここは折れておきますよ♪」

口ではそういいながら上機嫌な様子で明日美さんはその場を去っていった。

ああようやく明日美さんを通して香澄を見ることが無くなったな。それがなんだか少し悲しかった。



そうして彼女の墓石の前に前に立つ。



―――ああ、オマエ、本当はココに‘居たんだな。’



「言い忘れてた事があったな、香澄」



墓の前に座り墓石にそっと触れる。



僅かな時間しか俺達は過ごせなかったけれども、



その僅かな思い出さえもいつかは風化してしまうだろうけども、



この想いは決して消えない、



この想いは色あせる事のない宝物のように後生大事にしていきたいから、



今度こそ俺自身の道に進むために。



今の気持ちを、未練なんかではなくもっと清清しく綺麗なままでいつまでも残しておきたいから。



俺は別れの言葉を口にする。



―――さよなら、俺の愛しい人―――



その言葉を発した瞬間、今まで背負ってきた重みが消えていった。それが何なのか悟る前に涙があふれ出た。



それは長い間、抱えてきた彼女への想い。その恋が今ようやく終わってしまったのだ。



悲しかった。



自分の大切にしてきた一部にお別れをする事が本当に悲しかった。



でもソレを苦痛とは思わなかった。この胸を引き裂くような痛みも、押しつぶされそうなせつなさも全て俺のものだ。



こんなにも香澄の事を思えたことを俺は誇りに思う。



そうだ、俺は香澄をこんなにも好きだったのだ。それは胸を張っていいことだろう。



さあ、歩き出そう。無様でもいい、唯、バカみたいに真っ直ぐに俺は新しいスタートをここから踏み出そう。



涙を拭い墓から背を向ける。



見上げた空には、ちっぽけな飛行機雲が申し訳なさそうに線を延ばしていた。







目の前の桜の木には春だと言うのに、花一つつけていない。

桜の木に桜の花びらが咲いているのが当然のように思いながら生きてきた僕としては目の前の光景には違和感を覚えずにはいられなかった。

この巨大な桜に花を付けていないという事実は僕にとって寂しくもあり、それと同時に清清しさもあった。

この桜を愛しいと思う日も憎しみを覚える日もあった。

それは自分の体の一部のようなもので、それが無くなってしまったのだからやはり悲しい方が強いと思う。

あの夜から早一週間、未だにあのときの光景は鮮明に覚えている。僕はあの時、持てる全ての力を使ってこの桜を枯らせることが出来た。

以前の僕だったら桜を枯らせなかっただろう。でもその時僕は独りではなかった。

あの時力を貸してくれたのは、少し前までずっと僕の傍に居たあの少女だった。

僕はこの桜の前で悪戦苦闘して、あきらめかけたその時に確かに声を聞いたのだ。



―――諦めちゃダメ、貴方が諦めたら誰が彼を救えるの?願い続けて、お願い。
彼を救うために。ボクも彼を救いたいんだ。だから諦めないで!さくらちゃん!!!



それは‘死神としての少女’が見せた初めての希望の言霊。

『ボクも彼を救いたい』

その言葉を聞けたから僕は頑張れた。独りじゃないと思えた。それでこの桜の木を枯らせられたのだと思う。

でも・・・

「もう、一緒に焼きもろこし食べようって約束したのに」

お嬢ちゃんはあの夜以降、姿を消してしまった。

まだまだ沢山話したい事があったのに。今度こそ友達だって正面から言ってあげたかった。

アルキメデスにだって、ありがとうって言いたかったのに。

そんな言葉を言う前にあの二人は僕の前から消えてしまった。僕はそっちの方が寂しくて、それと同時に・・・

「んもおおおおおおおおおおっ!!!自分ばっかり無理してんのはどっちだよお!!!」

こちらの気持ちを考えない自分勝手さに激怒していた。むしろ寂しさよりこちらの方が圧倒的に強い。

「くっそお、借りを作ったままトンズラなんかしないでよ」

そう悪態をつきながら目の前の大樹を見上げる。するとそこには



―――チリン



「え?」

大樹の枝に水色の一枚の紙?

アレはそう、短冊?だっけ?

春なのにどうして?と思う前にフワリと風が舞い、短冊を揺らた。

「あ」

間抜けな声と共にその短冊に書かれている文章が目に入った。



『忘れ物、今度食べに来ます。20本は用意してくれなきゃポカポカだぞ!!』



「・・・・・・」

なんとまあそれは汚い字か。

怒りを通り越して体中から力が抜けた。

「ハハっ」

もう笑うしかなかった。もう気持ちは誤魔化せない。

「アーハハハハハハハッ」

何でこんなにも嬉しいのか。自分でもバカみたいと思うくらいに笑いが止まらなかった。嬉しくて嬉しくて、涙が出るほどに嬉しかった。

いつか会える。あんなに汚い字だけどもそれは未来へ続く約束だ。今の僕にとってこんなにも嬉しい事は無い。

今度、あの妹が帰ってきたらお望みどおりたらふく焼きもろこしを食べさせてやろう。

「さあ、やらなきゃならない事がこれから沢山あるね」

グッと伸びをして僕は帰路に着く。堂々とした趣で、しっかりと前を向いて歩いていく。



―――チリン



聞きなれた無邪気な鈴の音が晴れた空に消えていった。








幻想世界は既に崩壊し漆黒の闇に覆われた彼は海に漂うクラゲのようにその闇の中を漂っていた。



何も無い世界。それは幻想世界というハリボテが無くなった本当の‘境界’。そこでは何も生まれず、何も生まない。



憎しみや妬みという負の感情も無ければ、喜びも感動も無い。究極に純粋で透明な世界。



彼は禁忌を犯した。その代償がコレだ。彼自身にももう意識は無い。唯、この闇で意識が磨り減り消えていくのを待つだけの存在。



―――っち



そんな世界の中で声がした。



―――こっち



それは聞き違いではない。



―――こっち、こっちだよ



その声は彼を手招きするように声をかけている。



―――こっち、こっち



それも何度も何度も。


『・・・・・・』



無意識に彼はその声のするほうに導かれるように進んでいく。



―――こっち、こっちだよ



次第に意識が戻ってくる。それと同時に目の前に小さな光が見えた。



(あれ?あいつ?)



何処かで見た事のある姿の人が光の先に立っていた。



彼は何も考えずにその光の方へ向かっていく。そして



―――そのまま振り返らずに進んでいって。



いつの間にか視界が真っ白になって再び彼の意識が鈍くなっていく。



―――あなたは生きなきゃ行けない。あなたを待ってる子が居るでしょ?



「・・・さ、く、、ら」



―――うん、ちゃんと帰ってあげてね。あの子の元へ。



「ま、待、、て」



―――?



「か、香澄は、、ぶ、じ、、」



―――うん、ちゃんと‘運んだ’よ。



「そ、か・・・ありがとな」


・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・



「彼奴らにお別れを言わなくて良かったのですか?お嬢」

火星ネコが少女に問いかける。すると名無しの少女は残念そうにでも清清しく答える。

「だって、この島の桜の木も消えちゃったし、もうあの島の人たちは僕のこと‘見えない’でしょ?」

「ああ、そうでしたな」

「うん♪」

名無しの少女は火星ネコを抱きながらいつに無く上機嫌に歩いている。時折、リズムがぐちゃぐちゃな鼻歌を口ずさみながら。

名無しの少女は最後まで口にはしなかったが、この少女にもまた願いがあったと言う事を誰が知ろう。

少女の半世紀の人生は誰かの大切な人の命を奪い人々に妬まれ、中傷され続けたものであった。

それが死神の生業であり誰かがやらなくてはならない事。しかし少女はそう簡単に割り切れるほど大人ではなく優しい心の持ち主だった。

それはいつの記憶だったか、少女は覚えているだろうか?

死神として、人の死に立ち会う存在として。

死神と人はまじわってはいけない。

その決まりを破り、誰かと関わり、そして拒絶された事・・・

心を半分捨てても、やはりその痛みは経験として少女の中に残り今日まで彼女を蝕んできた。



『慈悲の心を持ちながら死神など勤まらない』



その言葉を受け入れてしまえば少女とてここまで苦しみながら歩いてこなかっただろう。だが硬くなに少女はその言葉を胸のうちに封印し・・・

そうして少女は沢山の痛みを抱えてこの島にやってきた。

奇妙な事ばかり起こる島だった。

ここの島の人たちは少女の事を普通に見えていたり、運んだはずの魂が再び現世に戻ってきたり、死神でもないのに境界に触れられる人間が居たり、魔法使いを自称する少女がいたり。

そして、その魂がとんでもない自体を引き起こそうとしてしまって、それに自分も巻き込まれて。

事の発端は霧羽香澄、朝倉純一、芳乃さくら、という3人のバカみたいに不器用な人たち。

人のことは馬鹿みたいに大切に親身になるくせに、こと自分に関しては見てて危ういくらいに無関心で。

そんな彼らを見ているうちに少女はいつしか‘彼らを救いたい’と思うようになる。



自分のその手は何十年も人の命を奪い続けた手。



たとえそれが決められた生業とはいえ、この薄汚れた手が誰かの命をつなぐためにあったのなら





それはなんて・・・





「うん、じゃあボク達も次の目的地へ行きますか?」

「ウム、次こそは騒動起こさず仕事をして欲しいものです」

「ぶう、なんてそういうこと言うかなあ?」

生者はつねに、死者において行かれる立場にあり、死に行くものを引く止めることもできない。

だからこそ残された生者は永遠に失われたいのちをかけがえのないものとする。それは現実を生きることでしか学べない。



どんな生命にも



魂自体には罪はない



すべての生命には等しい価値があり



それを受け入れる義務がある。



その事に少女が気付くのはもうすぐだろう。



名無しの少女と火星ネコは次なる目的地に向けて歩き始める。



セミの声と夏の日差しが眩しい田舎の街へ向けて・・・






________________________________________________________






~最後の約束~






―――ねえ、朝倉―――





小麦色の世界が崩壊していく中で、彼女が彼を呼ぶ。





その微笑を、その暖かさを彼は自らの五感全てで感じていた。





失いたくない、離れたくない、と心では思いながらも平然としたフリで彼女の声に答える。





―――ん?なんだ?―――





―――最後にさ、私と約束してくれない?―――





その尊く暖かい笑みを、無垢な祈りを、俺はこの先、永遠に忘れない。





きっと何時までもこの記憶は美しいものとして、この心に残り続ける事だろう。





―――ああ、どんな―――





―――えっと、それはね・・・




少女はその言葉を口にする。それは彼女自身の最後の約束であり、他の誰でもない彼へ向けた願い。





―――お願い、私のことなんかでもう悲しまないで、アンタ悲しそうな顔を見るのが私は一番辛い。
     私は一生分の幸せを貰ったから、朝倉は他の誰でもいい、アンタが大切だと思った人を幸せにしてあげて





―――私は幸せよ、自分が誰かに幸せにしてもらえることがこんなにも嬉しい事なんて思わなかった。
     だからアンタはこれから沢山の人を幸せにするの。言い訳なんかゆるさないわよ?





―――何?それでも悲しいときはどうすればいい?





―――馬鹿ね、いつだって私はアンタを見てるよ。





その言葉に偽りなどなかった。



たとえば彼女が駈けた桜並木



彼女が過ごした学園



そして、彼女が消えて行った満月



彼女の記憶、彼女がここに居た事という思い出は島に残り続ける。たとえ桜が枯れてしまっても・・・



彼も彼女を心配させまいと精一杯の笑顔を向ける。





―――うん、そうだよ





―――いつだってアンタをみてる





―――だから!近い未来、必ず私を迎えに来なさいよね!!それまでの浮気は許してあげるから!まあアンタの人生だしね。
でも、アンタが死んだら、私を奪いに来てね♪





なんて、清清しいほどの笑顔を向けて彼女はトビラの向こうへ消えていった。



互いにそれは遠い未来実現されると当然のように信じている未来。こうして出会えるはずの無い二人が出会えたのだ。



もう一度奇跡が起きても不思議ではないだろう。



その時まで彼は地上で彼女の願いを果たし、彼女は彼を待ち続ける。



彼らの願いは未来へ続いている。



ひとまずは、彼と彼女の物語はここで一つの終着だ。でも間違えないで欲しい。この終わりは一つのドットに過ぎない。



それは彼と彼女に限った話ではない。あの優しい死神も、金髪碧眼の少女にも言える事。



終わりは新たな始まり。



彼、彼女達はこれからも気が遠くなるほど沢山の終わりと始まりを経験していく。



この出来事もいつかは思い出になってしまうだろうが、皆の願いは未来へ続く願いだと私は信じてみたい。



それが彼らの願い。



未来へ続く‘月と桜に込めた願い’



それぞれの道を行く、彼らの道に幸福がおおからんことを。





終わり

スズランさんの後書き
これで本当に月と桜にこめた願い~悲シキ恋ノ詩~を完結いたします。
なんというか、当初の予定では10話完結の構成だったのに見返れば30話近い長編になってしまいました。
恐らくこの話を最初からここまで読んでくれた変わり者の人は居ないかもしれません。
まあ初音島に上陸して二年間で完結しなかったくらいですし。

文章も構成も見ての通りダメダメです。
唯一つほめられる所があるとしたらSS書き三流の私が一つの作品を完結までかけたという点だけでしょうか?

さて反省はこの変にして、この作品もまた「私の願い」によって生まれた作品であります。
彼女、香澄の姿を追い求めた結果がこの小説なのです。彼女の姿を私はもっと見たかった、感じたかった。
だから私は自分で彼女の物語を造る作業を始めました。
D.C.の世界観で矛盾の無いようによりD.C.らしくリアルに。時間軸や他キャラ達の現状、物凄く細かく描いたと思います。

他にも水夏とのクロス、死神と魔法使いの会合、等、実現したいことは全てしました。
このシナリオはMy MerryMaybeのあるシナリオをヒントに作った話なんです。
命とは魂とは何か、その答えを知りたい人は是非My Merry Maybeをしてみてください。

さてどうだったでしょうか?私なりに描いた、香澄のストーリは。
いいところと悪いところなら、悪いところのほうが圧倒的に多いでしょう。
しかし、表現したい事、感じて欲しい事は表現したつもりです。

皆様、本当に今までありがとうございました。この初音島に来なかったら私はこのSSを完成させることが出来なかったでしょう。
感謝しつくしても足りないくらいです。

本当にありがとう。

えーーーっと言い忘れた事が、さくらはあの後、朝倉に告白したかどうかという事ですが・・・まあそれは言わぬが華という事で。



                                            
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