「や、やってしまった・・・・・・」

シャレになりません。
今日の一学期期末テスト2日目、全然わかりませんでした。
昨日も出来たかどうか怪しかったのに・・・・・・

「ああ〜もう!美春のバカ、バカ」

ここで点が悪くて補習なんてことになったら朝倉先輩と海に行ったり、山に行ったり、夏祭りに行ったり、
遊園地に行ったり、プールに行ったりする計画がメチャクチャです。

「美春?美春ってば」
「へっ?」
「へっ?じゃないよ。帰ろうってば」
どうやらさっきから呼ばれてたみたいです。

「美春今日のテストそんなに出来なかったの?」
「うん。ま、まぁ大丈夫だよね。補習ってことはないと思うし」
「あはは、そんなに不安がらなくても滅多なことじゃそんなこと起こらないってば」
洋子はそう言ってくれるけど楽観視できる状態じゃないです〜。

「さっ、いつまでもうじうじしててもしょうがないよ。帰ろう」
「そうそう。なんなら桜公園によってチョコバナナでも食べようよ」
「そうだった〜〜〜!!!」
「ど、どうしたの?」
「今日は新作の発売日だった〜。売切れたら大変。早く行こう、2人とも」
と言いつつ、美春は2人を置いて全速力で走り出しました。

「美春〜。こっちの階段からの方が早いよ〜?」
「もう遅いよ。こっちから行くからね〜」
って声が後ろから聞こえました。
しまった。大回りしてどうするんでしょう?いまさら戻ったら余計バカなのでこっちから行くことにします。



ズダダダダダ



「って、あわわわわわ」
「えっ?」

ドンッ

誰かにぶつかっちゃいました〜。

「ご、ごめんなさい。ちょっと急いでて・・・・・・って、白河先輩」
「えっ?あ、美春ちゃん。どうしたのそんなに慌てて?」
「新作が美春を呼んでまして」
「新作?・・・ああ、今日発売のレーズンだね。だからって廊下は走らない方がいいと思うけど」
「あうっ。すみません〜」
白河先輩は美春を嗜めるように言いました。

白河先輩って素敵ですよね〜。容姿端麗、成績優秀、誰にでも優しいまさに学園のアイドルです。
美春とは月とスッポンです。
あれ?たしか前に・・・・・・

「どうしたの美春ちゃん?」
「白河先輩ってそういえば占いとかおまじない詳しいんですよね?前に朝倉先輩から聞きました」
「う、うん。結構知ってるほうだと思うけど・・・・・・」
「お願いです。美春が補習にならないようなおまじないないですか?」
美春は捨てられている子犬ばりの瞳で白河先輩を見つめました。

「う〜ん、知らなくもないけど効果があるかどうかは怪しいよ?」
「なんでもいいです。藁にもすがりたい気持ちなんです」
「じゃあ願掛けなんかどうかな?」
「願掛け?それって好きな物を断ったりして願いが叶うようにするって言うやつですよね?」
美春の好きな物と言えばバナナしかありません!!

「でも、美春ちゃんがバナナを断つのは無理でしょう?」
あ〜、バナナと朝倉先輩が〜〜〜
美春の中で揺れてます
天秤にかけられて・・・・・・

「美春ちゃん?無理はよくないよ?」
「い、いえ。これも楽しい夏休みの為です。喜んで断ちます」
「えっ!?で、でも・・・」
「大丈夫です!白河先輩どうもありがとうございました。それでは」
白河先輩が後ろで何か言ってますが、美春はすでに駆け出していました。
バナナの神様美春を許してください〜〜〜
           ・
           ・
           ・
そういえば走っちゃいけないって言われたんでした。





「さっち〜ん、洋子〜」
「あれっ?美春?何で後ろから来るのよ?」
「そうだよ。先に行ったんじゃなかったの?」
「まぁまぁ。で、今日だけど買いに行くのやめて帰ろう」
美春の言葉に2人は目を丸くしました。

「え?新作チョコバナナ食べないの?」
「うん」
「お金がないなら奢るよ?」
「そんなんじゃないよ〜。さっ、帰ろう。それとも2人とも食べに行くならついてくけど・・・・・・」
2人が顔を見合わせています。
よっぽど美春がバナナ食べないのが不思議みたいですね〜。

「美春・・・・・・熱でもあるんじゃない?」
「そんなことないよ〜。美春はいつも元気、元気」
「じゃあ頭を打ったとか?」
「2人ともそんなに美春がチョコバナナ食べないのが不思議?」
うんうんと同時に頷きます。

「なんでもないから。2人とも食べないなら早く帰ろう。それとも商店街の方にでも行く?」
美春の問いに対しても2人はどこか上の空って感じです。

「さっちん?洋子?」
「へっ?あ、うん。今日は帰ろうか?」
「そ、そうだね。明日になれば戻ってるよ、きっと」
「そうそう。明日買い物に行くんだし、今日行かなくてもね」
「じゃあ、そうと決まれば帰ろう」
明日は昼間、朝倉先輩の予定が悪いのでデートじゃないんですよね。

「テストが帰ってくるまでの我慢、我慢」
「美春?何か言った?」
「ううん。何でもないよ。あっ、バスが来てるよ。早く乗ろっ」




美春の特別日記

美春は今日、白河先輩のアドバイスによりバナナをしばらく我慢することにしました
これも朝倉先輩との夏の楽しい思い出の為です
先輩もきっと来年は忙しいはずですから、今年たくさんの思い出を作りたいんです
そう、これは愛のため
美春のバナナに対する愛と同じくらい、いえそれ以上に朝倉先輩への愛は大事なのです
テストが帰ってくるまでの我慢、我慢
それが終われば我慢した分の3倍のバナナを食べようっと


「今日の日記はこれぐらいにしとこう」
美春は日記帳を秘密の場所にしまいベッドへ向かいました。


こうして美春のバナナ断食生活が始まったのでした。


初の美春SSです。
今日考えて今日アップした作品なのでいい加減なところがあります。
美春の誕生日は半年ぐらい先なので、早めに書いてやろうという考えから書きました。
美春はネタは思いつくんですが、どう考えても音夢とかのおまけについたほうが動かしやすいです。
しかし、今回はあえて美春視点のSSにしました。それでは次の話にご期待ください。



                                 
美春のバナナ願掛け
(1日目)
inserted by FC2 system